いつも使っている化粧品が切れそうだったので、デパート内の資生堂へ行きました。
しかし、混んでいる。
少し時間をつぶそう。
たまには他のメーカーさんも見てみるか、と化粧品売場をうろうろしていました。
キラキラした商品。
大理石調のカウンター。
ところどころに金の装飾。
いかにもデパートの高級化粧品売場、という空間です。
そんな中に、
木。
しかも、その辺にポンと置かれているわけではありません。
ガラスドームの中に、大事そうに飾られています。
なんで木?
……いや、待て。
もしかして、香木?
隣に置いてあったパンフレットを眺めていると、店員さんがやってきました。
「本日は何かお探しですか?」
「いや……木が気になって」
すると、
「伽羅です」
とのこと。
やっぱり!!!
まさか化粧品売場で、伽羅に遭遇するとは思いませんでした。
伽羅には、ちょっと反応してしまう
私は家でお香を焚きます。
白檀、沈香、伽羅。
いろいろ試しているうちに、香木による香りの違いも少し気にするようになりました。
私は沈香が好き。
伽羅はものによって少し甘く感じることもありますが、香りそのものは好きです。
なので店員さんから「伽羅」と聞いた瞬間、
食いつく。
香道やお香の世界なら分かる。
でも、まさかスキンケアで出てくるとは。
「お試しになりますか?」
もちろん試します。
セラム、めっちゃ伽羅
まず試したのがセラム。
香りを確かめると、
……!!! めっちゃ伽羅。
「伽羅をイメージした化粧品の香り」というより、私にはかなり香木寄りに感じました。
これは面白い。
お香好きとしては、とても面白い。
ただ、同時にひとつ疑問が浮かびます。
これ、顔からこの匂いがするのか……?
伽羅の香りは好きです。
部屋で焚くのも好き。
でも、顔から香るとなると話はちょっと違う。
好きな香りと、自分から発したい香りは必ずしも同じではないらしい。
クリームは、最初ちょっと惜しい
続いてクリームも試しました。
こちらはつけた直後、私にはクリームそのものの油っぽい匂いが強く感じられました。
伽羅が負けている。
せっかく伽羅なのに。
これはちょっともったいない。
ところが、そのまま放置していると印象が変わりました。
1時間くらい経つと、最初に感じた油っぽい匂いがかなり落ち着き、そのあとに伽羅の香りが残ります。
おお。
後半戦で伽羅が出てきた。
つけた直後と、時間が経ってからで香りの印象がかなり違いました。
そして最終的には、私の感覚では2時間くらいで香りもかなり穏やかに。
ずっと伽羅の存在を出してくれるわけではなさそうです。
香りとしては好き。でも顔となると
試してみて思ったのは、
伽羅の香りは好き。
でも、
顔から伽羅が香る必要はあるのか。
ということ。
私は香りもの自体は好きですが、顔につけるものはまた別です。
肌に使うものなので慎重にもなります。
香りが気に入ったからといって、その場で即購入とはなりませんでした。
でも。
ここで、妙な考えが浮かびます。
手首にクリーム塗ったらよくない?
顔じゃない。
伽羅は嗅げる。
なんなら手首のケアにもなる。
……完璧では?
いくらよ
そこで値段を調べました。SKⅡです。
LXP 金継ぎ クリーム 50g
参考価格 68,200円(税込)
……。
さらに、
LXP 金継ぎ セラム 50ml
参考価格 71,500円(税込)
……。
たっか!!!!!!
普段、顔にもそんな高いもの塗らないわよ。
ましてや、
「手首から伽羅の香りがしたらいいな」
という理由で68,200円のクリームを塗る人間ではありません。
手首のシワ改善まで期待し始めた数分前の私、現実に戻ってきました。
香りを楽しむには、さすがに高すぎる。
お香を焚きます。
高級な香りは、思わぬところにいる
香木というと、私の中では香道や線香、お香の世界です。
以前、京都の香の老舗へ行ったときも、並んでいる香木の値段や空気感に圧倒されました。
それが今度は、デパートの化粧品売場。
香りの文化って、思っていた以上にいろいろな場所へ入り込んでいるようです。
しかも私は、日用品を買い足しに来ただけ。
資生堂が混んでいたから、なんとなく他の売場をうろうろした。
それだけなのに、
ガラスドームの中の木を見つけ、
「香木?」
と立ち止まり、
伽羅を手首に塗り、
最終的には68,200円のクリームを手首専用にする可能性まで検討していました。
買いませんでした。
でも、とても面白かった。
化粧品売場で伽羅に遭遇する日もある。
たまには、いつもと違う売場をうろうろしてみるものです。


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